2007年06月10日(日)20:50 短文まとめ 最近、ぴりっとした短文がかけないんです…しかも、日記タイトルにちょうどいい長さのが少ないんです…。いや、主に前者で悩んでます。うう。 折角書いてみたので、今年に入ってからのものをいくつか載せておきます。20070610bと絶望的な木陰は結構気に入りなんですが、他はあまり思慮しないでノリだけで書いちゃった感じで。いつでもノリで書いてますが。何を志向しているのか、はっきりしてなくて、流されてる感じがしなくも無い。気にしすぎなのか。でも、気にしなくてどうするのか。 なんだか、文章がちゃんと自分から離れていない気がするんです。書き手と読み手の間に空間があって、そこで思い切り書き手側に偏っている感じ。それがチャームポイントならそれでいいけど、チャームできない…!
20070610bおれは 昔ちぎれた右手を なんとなくとっておいた右手を 行く前に焼いて、 放心泣いてる人目をはばかり こっそり、あんたの焼けた骨たちに こっそり、ハンケチから左手にひとつかみ まぎれこませた
20070610a白い花は菓子のよう ぽつてりとした花弁を齧つてみたい きつとこれは「ざく、」と音がする、
砂糖菓子は雨にくすんでやわらかそうだ。 きつと齧つたらとんでもなく苦いんだろう。
20070608伸びやかな曲線 なめらかな曲面 あなたを滑り落ちていく。
20070605「すぐもどってくるからね」じゃなくて「おやすみなさい」じゃなくて「さよなら」のリズムで足音で
20070604深く草蒸した料理を毎日満腹に食べているようだ。胃にも肺にも緑がたまり、甘い香りをぬるく吸ったら、気持ち悪くて吐きだす。
20070603ちょっと私は悩ましい病気で、
20070601c金管楽器が鳴っている。きっと薄黄色い光がホルンに添わされている。(黄ばんでなどいるのではなくて、もっと、。) しっかりと青ざめた空に届いて、少し慰めになればいいな。少し白んでいるだけで、昼間のような色をして、地面の影は橙になっている。
20070601b邪魔でなく撫でられている。それはこんなにきもちいい。ときに、そのなめらかな髪の、あたたかな肌の、香りを肺いっぱいに。(初夏中盤・風)
20070601aなまぬるい風ならきもちいい。ああ、 太陽が真上だから、僕は下を向いた。 少し目線上げたら、とても彩度の高い世界。花も葉も道路も。typical冬とは違う。 空はまぶしくて、質量の高い雲の小さな穴一つ見ただけで、目が痛くて、下を向いた。 冷たい風は冷たい。風邪ひきそう。
20070531青ざめた純白の細やかな繊維が、雲の穴部分でほつれて見えている。 かと思えば、燈籠の橙がレンブラントしている。 (晴れた雨)
20070528ガラスの向こうがわはいつも青いものですから。 そのような空が、光に溢れています。 木々の絶望的な陰影も、花も、とんだ彩度です。 しかし動かない空。 質量の高い雲はずんぐりとしていて、動きません。 いっそ虫々でも鳴いてくれたらいいのに、風が木と草を揺らす音だけ。 しかし、風は冷たくて、 しかし、ふくろうが鳴きはじめてる。 今はいつの季節の何時だ。
20070526明度は下がり、彩度は上がる、雨の日です。 雪の日の白い空より、もう少し暗いです。 傘で覆われて隠してみました。正面の何も見えません。 歩道にせりだした草々に首を切られそうです。(1ml/10lくらいになったり、肺をいっぱいにしてみたり、色々な濃度のこの、暖かい包丁のような蒸せる香りは、生きている植物と腐っていく黒土(くろつち)と、ちょっとアスファルトのものです。) びっくりしてよけようかと思いましたが、なんのことはない、 首を切られたのは花です、雨に。 (こんなに暗くなっているのに、どうしてぽつぽつと色とりどりなのでしょうかね。)
20070522bきっと君はどれかの星でいつでも僕をみまもってくれている、そう思うとやっていけそうな気がするんだ。たまに夜に池に映る君がいる星にとびこんで、水中も宇宙も似たものだから、いっぱい泳いでそっちに行けそうになるくらいに。
20070522a髪がかわかないで朝になった。 うす暗い太陽。鳥の声が水の中で反響する。じりじり。 この部屋はとんだ水溶液です。
20070520雲々の中に広く開(あ)いた穴から群青の太い腕がほっと落ちてきて、私の胸部をひとつかみ。
20070519青すぎて少し暗がり(空)
20070514君の涙は、眼窩に溜まり、視神経を伝い、脳を伝い、背骨を伝い、心臓に行きつくのだ。私には見える。
20070513酸味深い風(初夏)
20070510b水の色を塗りたくってけばだった画用紙に、緩急つけて黄ばんだ水をばたばた塗ったような、明るい嵐の空。
20070510a女の化粧のあわれなぬめりがかおる。(新緑)
20070508「私の本質は私の腹の中と思うたか! 残念!私はあの人の心臓だ!」
20070507霞でくすんだ漁場の港町の端をとぼとぼ歩く、そんな鳥の声で起きた。けたたましく私の孤独が鳴る。
20070504冬の彷徨は、頭がずっと冷えて何の波形も無くなってただ動かなければならないという信念が身体を動かした挙句のものだが、夏の出奔は、身体全てが沸き上がり冷たい夜の風を泳ぎたく、泳ぎたく、肺の中を満たしたい、それのものでございます。
20070503夏は魂が沸き踊り、微量の汗が体を包み、自然も人工も音は鳴り止まず、熱されて揺られて気が狂う。
20070502アスファルトがとぼとぼ濡れるにおいで、私のなかにもごもご緑が沸いてくる。
絶望的な木陰雲が私に見えない、こんな空は、天頂に向かって傷一つないスロープがびゅうっと落ちていく。 そして光が溢れてる。きらきらきら、原色がまぶしい。 鮮やかな、乾いている、景色。乾いた土の表面の、乾いた肌の表面の、緑の、蒸して焼けたにおい。 しかし平坦に見える緑。原色がまぶしい。 真っ黒な陰、少し色を濃くする陰、さまざまな陰が降りそそいでいる。そして、どの陰もまた平坦に、寄り添う。 粘土で作ったような緑が、そこらじゅうで散らばっている。 私の前を通るこの中くらいの道も、両側に、高い線状の草が多く沸き出している。 絶望的な陰影が、そこかしこに降りそそいでいる。
20070423アスファルトの芳香 花の香り やさしい雨の、後の道 私を涼しくなでつける。 私の見るすべては薄い色の水に沈澱しており、 光がかすかに射す森の奥の、表面は乾いている堆土の空気の中、 わたしはするり泳いでいく。
20070422c 遠いかすかな音が鳴りやまない虫、体温の空気は肺の奥に沈殿して、やっぱりこれは焦燥か、震えて息を吸って吸う。 窓の近くに行くと、金切り声が大きくなって、大脳が振動して、ああ、細い細いかたい糸の金属が、 こ ろ さ れ る !
20070422bどんな季節にも怯えているが、こんなに首吊りのような恐怖を感じるのは、突然夏の影が私の周りに起きるときだけだ。
20070422aすってもすってもすっても吸えきらない肺の奥でうごめく怠惰が、夏が目と鼻の先なのだと告げる。私の周りにいた、冷たいけれど穏やかなあの空気はどこにいった!
20070415涙がながれた 声をだしてみた それでも気管が硬いのは 悲しいのを信じてくれない四月の風のせい
20070414汗ばむ怠惰の感覚。それが来た、そんな四月十四日。
20070413b冬と春の静寂の違いは、冬は誰も動かぬ直線であるが、春は私の見えぬところ、そして私の心臓の中を、いきものがぞおりぞおりと音はせず這いずり回っている。
20070413a沈澱している空気の中を、揺らして歩く。すぐぬるいおりはたまる。(春)
20070412ぶよのように桜が走る私の顔にあたる。
20070411めずらしく私は吠えて、めずらしく私は泣きだしてみよう。
20070410c色の薄い空に、なにも期待なんてできない。花の香でゆるやかで光ってて、幽霊だから。
20070410b震えるようなリズムで無企画に、右足と左足に重心がかかったりかからなかったりする。 ああああああ 逃げたい、それはだめだ、逃げたい、あなたの前から、
20070410a無傷の金属のスロープが中心へずっと続くような晴れた空。
20070408ふらふらの線。 水の中から君をみた。僕がもがいて崩れていく。
20070406b青空に、大量の白い花びら。 こんな天気に、ここまで桜は似合わないものだったのか。 やっぱり、薄暗い白い空の下がいいな。 感情が天井に沈殿していく白い空の下がいいな。 桜はあんまり生き生きしてないんだから。
20070406aペンキのにおい ワックスのにおい ほのかな異物。 酸味のきいた、そんなにおいは、 こんなに穏やかな春のせいで巣食う、肺の中の暴れ果てる切なる妄想の、 すこしのなぐさめ。
春の夜すべての酸素が経血となり、ねっとり揺らいでいるような。 私の肺の中も経血で満たされているような。 しかしいつまでも満たされきらないで、血なんてものをずっと求めつづけてしまうような。 それでいて、ふいっと涼しげな風が頭を揺らすような。 本当に本当に本当に、 、 、 忌々しい!
20070328空を泳ぎ始める季節がきた朝。 どんな音もがさわがしく鳴り、脳の表皮を優しくなでるふりをして揺さぶる。 太陽のにおい、水のにおい、草のにおい。 私が恋焦がれた、月のにおいのする夜とは、きっともう、しばらく会えないのだろう。最近の夜は、たしかに暖かった。
20070319c「冷たさの無い夜の、こんなにもおぞましさ」(初春)
20070319b「これが躑躅だ。惑わし狂わし殺す物、春の悪意だ。」(
20070319aいつでも視界にあなたの影がかかっている。右上あたり。
20070315ヨーグルトの汁のようだ。咲き乱れる花の腐りいく香り、それを行う微生物。有命物のむごたらしい胎動。夜の春で本性が見え、私はどうにも、懐かしい。 春の私の殺し方は、指先一つの指示のように、汚い土と同じ色の幹の腐る桜か躑躅のあれ。
20070304b所詮魂の腐る温度、野にはう草の夕方よ。(春初頭)
20070304a曇朝 青い匙で 雀を食べる(リスペクト萩原朔太朗「雲雀料理」一連)
20070303春の宵の温度はなめらかな泥土 奥まで達さず生殺し
20070225痛みに青ざめる春が私の戀の死に場所
20070215初夏のあの木々の風の、つらいあつさだけをひゅっと抜いたような、去年のあの夏が、私の最後の幸せだったといいたいような、そんな(雨後・冬)
20070214花と涙と草と湿地の、流れてくる冬のぬるい嵐、
これ以前の 2月:
時折のぞかせるあなたの私の無理解が、喉から心臓までの内側を、こそげとる
さびしくない冬の、藤色のある夕焼けの、風が私の恋人
1月後半:
もしや私の失くしたものは、忌避してきていた郷愁か。
指の愛。
静寂。静寂。虹色の空。(冬・暮)
(お前が病まずに死ぬことが無いようにしたいのだ)
嵐が吹けばいい。あなたの灰は雨の底に沈むことはなく、もみくちゃに浮遊していればいい。
「あなたが私の奇跡を信じてくれたなら、私は死ななかったものを」夢の中で彼女は言った。それが彼女の奇跡(の限界)だったのだろう。
泣いても泣かないでも自分でしか言わない、果たしてそんなもの。)
頭痛に泣きました、そばに誰もいない
「光なんて握り潰せばいいと思っていたが、ねちねちといつまでもついてくる…、邪魔で…、」
私は灰の降るこの町を愛し、あなたは見つめているのだろう。しかし、それでもいいのだ、あなたが最後に笑ってくれたのなら。
あなたのそんな、そんな言葉、信じられないのです。なので、そんな嘘、はやくおしまいになって。
「あなたの美しい影がゆらいで、私は慌てたんですが、
春に一番「残骸」が似合う。
静脈じみた桃色のふちどる地平線。いまだ明るい上空です。
1月前半:
「私の掴もうとしたのは結局ただの液体でしたの」
冬のもうもうたる雲は、黒い嵐の幻想的な亡霊です。
「今にしてみれば、蜜柑は気持悪いです。橙に緑は。」
朝の室内には、薄暗く水が澱んでいる。
(君はいつも予想外の力で私の手を握る。大方強い。)
「朝焼はさびれた」
あ。…電車がくるよ!線路が光るのが見えます。
月のまばゆい彼との情夜。
吸っても吐いても沈む海。
黒い山々を月のない下、駆け巡りたい。風景の外で想う。
間接的に体温を奪われていきます。(君による刺殺) |